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Author:安波茶40’s(改安波茶30's)
40際になりました。30’s改め、「安波茶40’s」。「あはちゃ」と読みます。沖縄県浦添市にある集落の名前です。読書の時間が激減したのが悩みの種。のんびり更新中です。

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贈り物に

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懐かしの「パックインミュージック」(@A

深夜語録


A)この間ブックオフで見つけたこんな本を持ってきました。まだちゃんと読んでないんだけどね。「深夜語録 青春に関する13の断章」(立風書房、1971年)。TBSラジオの深夜番組、パックインミュージックのディレクター(当時)の橋本隆が編者となっている。ところでパックインミュージックは知っているよね?

T)もちろん。「ナチチャコパック」とか…。えー後はだれだっけ?

A)いや実は自分もあんまり覚えてない。どっちかというと「オールナイトニッポン」派だったからね。この本のベースになっている日曜日の永六輔と中川久美の「日曜パック」も知らないんだよね。ちなみにこの本の出版は1971年6月15日で、沖縄はまだ日本じゃないころ。

T)そうか、自分が聞いてたのは小学校高学年からだから、1978年ごろだ。もしかして、パーソナリティーはかわっていたのかも。

A)どうもうまく調べられないので、だれか知っている人がいたら教えてほしいなあ。だいたい、復帰前の沖縄でこの番組が聞けたかどうかも分からないし。

T)で?

A)番組で1970年6月から71年1月まで断続的に取った29項目のアンケートから13項目を選んで、聴取者の回答を抜粋してまとめた本。この本に入っているのは「アメリカという国を一言で定義してください」「あなたのおとうさんをひとことで語ってください」「あなたのおかあさんをひとことで語ってください」「あなた自身をひとことで語ってください」「あなたの恋は何色ですか」「あなたは今何とたたかっていますか」など。まあ、いっちゃ何だけど他愛もない質問。でもだからこそ、バラエティにとんだ回答が集まっている。元になったはがきは1230通、人数は932人。

T)最初の「アメリカ」には沖縄返還に触れた回答もあるね。復帰のスケジュールが明らかになって、本土でも関心が高かったわけかな。こんな若者の深夜放送に、政治的な話題の投書がきていたんだね。

A)というか、これはパーソナリティーによるんじゃないの?

T)それにしても、この「青春に関する」なんて表現、今では揶揄的な使われ方しかしないのに、この本では違うね。堂々と肯定的に使われているのがうれしい。2007年現在には、どことなく気恥ずかしいイメージの語だもんな。

A)そうかな? 未だに、意味ある言葉じゃないの? 

T)いやそれは、そっちが古本ばかり読んでるからだよ。たまには新しい本も読みなって。

A)はいはい。話変わって、ちょっとだけ、中身を紹介。えー、「ひとりごと」というアンケートへの回答をいくつかね。本当は都道府県と実名と年齢が書いてある回答もあるけど、ここでは割愛。

「かくめい、かくめい、かくめい、かくめい、かくめい」
どうやったら左翼政権をつくれるかということを考えています。


マイアイドル、岩下志麻。

どう?

T)岩下志麻がアイドルのころで、若者が左翼政権を夢見てた時代なわけね。36年前か…。世の中って本当に変わっちゃうんだねえ。
 

「本屋さんのサラダ記念日」

@A)「サラダ記念日」といえば、1987年の大ベストセラー。きみがこの間紹介した小松左京の「日本沈没」並みの社会現象にもなったよね。年寄りくさい短歌の世界に、若い女性の書き手が現れたというのが注目されたんだよね。
@T)個人的には何の魅力も感じられない本だったけどね。ポエジーや飛躍のない、優しくて柔らかい歌ばっかし。当時は買ったことを後悔したな。
@A)そうかなあ。けっこう斬新で気持ちのいい本だったんじゃない?
@T)まあ、短詩形文学は好き嫌いがあるからね。
@A)いずれにしても、世の中の短歌への興味が、この本一冊のおかげで大きく変化したのは間違いない。短歌の世界では重要な一冊である。
@T)やけにかばうね。
@A)人気を集めた本の習いというか、その類似本が色々出たよね。
@T)やっと本題だな。
@A)この「本屋さんのサラダ記念日」(泰流社)は翌年1988年の刊行。あとがきによると、本の卸問屋みたいな「日販」が新春市会で募集した短歌をまとめたもの。
@T)でもさあ、「世の中の動きが分かる本屋さん自分を磨く良い職場」って。これ短歌かい? ただの標語じゃないの?
@A)まあまあ、ようは作品の質じゃなくてさ、こういう流行に付随して誕生した本って興味深いよねというのが言いたいわけ。
@T)?
@A)つまり、普通なら本になりえないものが、1人の革新者によって世の中にどーんとあふれるという風潮。ばかばかしい部分もあるけど、それでも本ができるというのがすごい。だって、今から18年前っていったら、パソコンだってまだ全然普及してなくて、インターネットさえないんだよ。今みたいに誰もがCDを焼いたり、ネットで意見を陳述できる時代じゃないでしょ。
@T)まあそうだ。何か自己表現して大量に流通させるなんて、限られた人たちの特権だったもんな。せいぜいコピー機を使った同人誌とかそんなものか。
@A)でしょ。だから、こういう形で作家でもない人たちの表現が世の中に残ったということ自体が大事なわけ。例えば、こんな作品は文学的にはたいしたことなくても、面白いんじゃない。

「一年生ふろくを入れてひもかけて放課後に来る笑顔楽しみ」
「月曜日早く見たいと息きらしジャンプ片手に混み合う学生」

雑誌を楽しみにしている子供たちがいた時代。当時の「少年ジャンプ」人気はすごかったよねえ。本屋に行列ができて、ニュースにもなるぐらいだったもんね。
@T)お、これなんかは結構いい作品かも。

「けものめく瞳(め)より涙のにじみ出て万引きの子を許す潮時」

なんかリアルだね。ちょっと見直したかも。
@A)ちなみにこの出版社他にも「男たちのサラダ記念日」「女たちのサラダ記念日」「恋びとたちのサラダ記念日」「乙女たちのサラダ記念日」「金曜日のサラダ記念日」「おしゃべり娘のサラダ記念日」「十人十色のサラダ記念日」「365日のサラダ記念日」「魔女たちのサラダ記念日」なんてのを出してます。
@T)…。やっぱりくだらないと思うなあ…。見直さなければよかったよ。